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建物だけじゃない、未来をつくる建築家たち。

座談会スタイルでつなぐ、NBUトークマガジン。今回は、建築学科の西村謙司教授と学年の違う三人の学生が登場。未来の建築家たちの建築に懸ける思いとは? 先輩・後輩の垣根なく、本音をじっくり語ってもらいました。

0102016 MAY

出会えてよかった!建築への道。

小成 僕は沖縄県出身だけど、高校のときの先生がNBUの卒業生で、建築学科は、プロフェッショナルな先生たちが揃っているという話を聞いたので決めました。先輩たちは、どうやってNBUに決めましたか?

宮﨑 僕は大分県出身。とにかく地元愛が強くて、大分を離れる気がしなかったんです。そんなときにNBUのパンフレットを見て、先輩方が真剣に作業に取り組む姿を見て楽しそうだと思って決めました。

山下 僕は長崎県の工業高校出身で、元々高校には建築設計をしたくて入ったんですけどできなくて…。NBUのオープンキャンパスに行ったときに建築設計やインテリアデザイン分野の作品や製図室を大学生に案内してもらって、「僕もこんな作品をつくりたい!」と心から思いました。ここに入れば本物の設計を基礎からちゃんと学べるなと。

西村 NBUは先生が学生に対して、フレンドリーだと思います。「学生との関わり合いを大事にしましょう」、「教育を大切にした大学づくりをしていきましょう」というのが教える側の信念としてあるので、学生と先生とがよくコミュニケーションを取れる環境になっていると思います。

単なるモノづくりでない それ以上のもの。

宮﨑 1・2年生のときは建築に興味があるといっても何をしていいか分からなくて、とりあえず講義だけという感じでした。3・4年生になって模型などをつくり始めたのですが、やりがいはあるけど、初めてやることばかりで正直焦りました。そこで、できないなりに自分で頑張れることは何かと真剣に考えたんです。友だちや先輩の作品を見たり、先生に意見を聞いたりすることで、自分に足りないモノが少しずつ分かってきました。その頃から西村研究室で建築に本格的に関わり出して…。4年生のときはとにかく毎日のように怒られながら、熱く指導してもらいました(笑)。

西村 あれは愛情の込もったマンツーマン教育(笑)。大学で4年間一緒に過ごしていると、学生との間に信頼関係ができるので、怒ることもできる。人を伸ばすには、もちろん褒めるのも大事ですが、褒めるだけでなく、問題点を発見して学生が自分自身で改善できるようにサポートする。それが「教育」だと思います。

宮﨑 3年生くらいになると、設計製図に取り組んでいるときに、先生から条件が出されるんです。最初は「やってやるぞ!」と思い、みんなで話し合って授業に挑むんですけど、先生から厳しく言われて(笑)、落ち込んだりもしたんですけど、ドンドン対抗心が出てきて、挑んでは返り討ちにあうの連続でしたね。

山下 僕は設計がしたくてNBUに来たので1年の頃から先輩にお願いして、西村研究室に入り模型の制作を手伝ったりしていました。先輩には設計のコンセプトはもちろん、柱の高さだったり、窓の位置だったり、ディテールに至るまでその設計に対する考えを教えてもらいました。先輩の作品制作を手伝うことで、チームとして縦のつながりを大切にした人間関係の重要性も学べました。

小成 研究室のメンバーはみんな個性も考え方も違うので、どちらが良い悪いではなく、いろんな刺激があるのがありがたいですし、楽しいです。僕はコンピュータを触るのが好きで、実際に建てなくても、画面の中で完成をイメージできるという、これからの建築のやり方に興味があります。

西村 そうだね。今後、建築はテクノロジー化が進んでいくかもしれない。建築をつくるうえで、CADによる合理化は必然的です。だからこそ合理性だけを追求するのではなく、クリエイティビティが必要になってきます。その融合が今後の建築界の課題になってくると思います。

山下 大学で専門分野を学ぶにつれて、いわゆる建築家と言われ、活躍している人たちの作品を参考にして、自分の新しい空間をつくることも増えてきます。自分の好きな建築家がいた方がいいなと思っていた時、母親が「大阪には安藤忠雄がいるからその作品を見てみなさい」と。母は大阪出身で別に建築に詳しいわけではないんですけど、大阪人の特徴なんですかね?同郷で有名になった人を「うちの安藤忠雄や〜」みたいな感じで親しみを込めて言います(笑)。

西村 それがきっかけになったのかは分からないけど、山下君の場合は、好きな建築家が安藤忠雄だよね。自分の好きな建築家や、テイストを探ることはとても重要で、特に2・3年生のときにそれがあるかないかでは、伸びるかどうかが変わってきます。そのために、1・2年生の時に旅行をしたりして、色々な作品にふれて感動することが大事ですね。

小成 山下先輩の話を聞いて、専門性が高くなる3・4年生での勉強に対して期待や楽しみでワクワクしてきます。僕の祖父は大工をやっていて、自分の家を自分で建てたんです。その空間に親戚とか近所の人が集まって、談笑して、あたたかい感じがして。建築って人がいないと成立しないので、人が建築に与える幸せについて、いつも考えるようにしています。

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建築の未来、人の未来を担うために。

宮﨑 大学では設計図やパースを制作するので想像力を磨いたり、実際の作品を見ることで知識を深めたりしました。これから就職して、設計現場で働くうえでは、材料などの知識をもっと増やして、ディテールや仕上げなどのリアルに「建物をつくる」という作業に携わっていくので、大学以上のものを学んでいこうと思っています。

山下 大学で3年間、設計をしてみて、実際に建築の完成をイメージできるようになってきました。インターンシップで建築事務所のアルバイトをしたとき、実際にテーブルの上のものが街に実際に建っているのを見たときに、現場に出たいと思うようになりました。

小成 僕も就職はすると思いますけど、まだ勉強しないといけないことが多くあるので、具体的にはまだ決まってないです。大学で先輩や後輩といろいろな意見を交わしながら、信頼関係を築き、専門知識をもっとつけていきたいと思います。

宮﨑 建築に向き合うということは、きついときもあるけど、みんなで意見交換をしたり、一人で取り組んだり、メリハリをつけながらやっているときが僕は一番面白かった。大学では先生と接するのも大事ですが、研究室で絆をつくるためには、学年に関係なく常にみんなで話すのが大事だと思います。みんなは、僕らの学年より個性が強いので、時にはギクシャクすることもあると思いますが、そんなときこそ顔を合わせて話せば、よい建築に近づいていくと思います。

西村 建築家になるには専門的知識も必要ですが、人間関係をつくる能力がないとよい仕事はできません。人間的に魅力のある人のところによい仕事が集まり、それが永く人々に愛される建築になっていくと思います。みんなには多方面で能力を磨いてほしいですね。

一同 先生の熱い指導に負けないよう、これからも建築に向き合っていきます。

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MEMBER

工学部 建築学科3年
小成 祐一郎Yuichiro Konari
(沖縄県立沖縄工業高校出身)

沖縄から建築家を目指し大分へ。コンピュータを駆使した新しい建築の世界に可能性と魅力を感じている。キラリと光るセンスで、様々な分野の設計・デザインで活躍を目指す。

工学部 建築学科4年
山下 竜平Ryuhei Yamashita
(長崎県立長崎工業高校出身)

入学当初から西村研究室で模型の制作に関わるなど、設計から施工まで建築のすべてに正面から向き合う職人気質な男。インターンシップでリアルな建築にふれ、建築のプロフェッショナルとして現場に立ちたいという想いがさらにみなぎる。

工学部 建築学科(2016年3月卒業)
宮﨑 泰樹Taiju Miyazaki
(大分県立大分工業高校出身)
就職先 (株)佐伯建設 〔設計部〕

西村研究室のリーダー的存在として数々のプロジェクトに取り組む。建築に真摯に向き合い、妥協を許さない姿は、後輩たちのお手本。難関の設計部に就職し、建築士として歩み始める。

工学部 建築学科 教授
西村 謙司Kenji Nishimura

自然との調和、安全性、地域の文化といった様々な要素から未来を考えた建築活動に携わる。学生とともに、人と人のつながりの大切さ、人が幸せを実感できる住まいの建築論を探求している。