NBU_3_32

大学院という未来図。

今回のテーマは「大学院進学」。 就職活動に仲間が励むなか、自分の可能性を信じて 大学院へと進学を決めた三人。 なぜ、僕たちは大学院への道を選んだのか? その答えを4年間の大学生活を振り返りながら語り合います。

0012015 DECEMBER

「あのとき」決めた、大学院という選択。

久積 僕が在籍している航空宇宙工学科は将来、航空関係の仕事に就くことを目指す人が多いけど、僕が大学院を選んだ理由は、いろんなことを総合的に学べると感じたから。機械分野もプログラミング分野も両方学べるので、大学院へのステップとしては間違いないなと。実は、大学1年生の時に大学院に進もうと決めてました。ゼミの先生にも友人にも言わずに4年間コツコツ準備していたけど(笑)。

池田 えっ、そうなの!?大学院に行くこと、最近まで知らなかったよ(笑)。実は僕も入学当初から大学院に行くことを意識してました。大学院入試は、通常の授業で学ぶ範囲だけではカバーできないので独学でやらないといけない部分も多いよね。

久壽米木 二人とも1年生の頃から考えてたのか…すごいね。僕はなんとなくエンジニアになって、パソコンとか携帯電話とか、そういうものの進化系をつくりたいなと漠然と思ってました。大きな転機は、3年生の秋に川崎先生の研究室に配属されてから。川崎研究室で、先生や仲間と一緒に、ひとつの研究に取り組む中で、自分の中に大学院という選択肢が自然と出てきて。川崎先生に相談したら、研究を続けるなら、大学院にチャレンジしてみたら…とアドバイスをいただいて。それで、ようやく4年生になってから大学院を決意した感じ。

大学4年間で学んだ結果よりも大切なこと。

久積 自分の大学生活を振り返ると、やっぱりカンサット(種子島や能代で開催される日本屈指のロケットコンテスト大会)に夢中になったなぁと思います。負けず嫌いな性格なので、東大や早稲田大などの有名大学には絶対勝つぞ!みたいな。でも全国優勝という結果よりも、自分がリーダーとしてチームをひとつにまとめ、問題解決しながら改善していくプロセスが楽しかったような気がします。解決できないことがあったら問題点を克服するのか、他の部分でカバーするのかを判断する。研究というより企業の商品開発に近い感じでしたね。二人に聞いてみたいけどさ、研究ばかりしてて疲れないの?僕、ホントは池田くんをカンサットに誘いたかったんだけど(笑)。

池田 お互い頑固だから同じチームだったらケンカしてたと思うよ(笑)。いや、ホントはカンサットプロジェクトのチームで取り組んでいる姿を見ていいなと思ってたよ。でも、研究も面白い!研究はね、良くも悪くも最終的に目に見える形で結果が出てくる。それをさらに改善していくプロセスを大切にする。僕が小幡研究室でチャレンジしているトンボの羽に関する実験やロボット開発も、先輩たちの実績やデータ分析などを受け継いでいっているしね。テーマとじっくりと向き合うことは、ものづくりの基本なんじゃないかな。

久壽米木 僕はプラズマの研究に取り組んだことが、自分が成長するきっかけになったと思う。プラズマは殺菌や有毒ガスの浄化などにも応用できるから、今後、医療や農業の分野で活かせる可能性を秘めている。正直、今、僕たちが研究していることが将来使えるかもしれないし、使えないかもしれない。それでも未来につながることを信じて、研究の計画を立てて、粘り強くやることが大切。やっぱり、結果だけじゃなくて過程が重要だと思うよ。

talk001_img01

研究者?エンジニア?未来のスタートラインへ。

久積 僕たちは大学院に行くけど、就職する友だちの方が多いじゃない。初任給の話とか聞くと、就職もいいなぁなんて(笑)。ちょっと気が早いけど、大学院はゴールじゃないわけで…その先のことを考えてたりする?

池田 まだ決めていないけど、就職するなら製造より、もっと専門的な知識が必要な研究や開発系に行きたい。そのために身につけないといけないことがまだまだあるから、大学院に進んでからが勝負だね。

久壽米木 大学に入ったときは卒業して就職しか考えてなかったのに大学院進学を決めた。大学院には修士課程、博士課程とあるけど、レベルの高い企業からのニーズがあるのは修士課程で、博士課程になると専門の研究者になるので、企業への就職とは別の道なのかなぁ。今の段階ではハイレベルなことが学べて、将来、就職に有利になりそうな修士課程までを考えているけど、どうなるかは分からないよね…。専門の研究者になるための博士課程にチャレンジするかもしれないし。

久積 僕は最終的には企業に就職して開発分野で活躍したい。進学するのはロボット開発に取り組んでいる研究室で福祉系のロボットとか、自動運転の車椅子をつくってみたい。実は僕、喘息だったので、昔から体が弱くて…そこから福祉とかに興味を持ち始めたのがきっかけになってるね。

池田 いいね、その目標!出会って4年経ってるけど、見直したよ(笑)。でも分野が違うけど同じ方向を向いてる三人で話すと、刺激があって、卒業研究にも気合が入ってきたよ。去年の卒業研究発表会は、1位が僕が所属する小幡研究室で、2位が久壽米木くんが所属する川崎研究室だった。

久壽米木 今年は1位を必ず獲るよ!でも研究室では多くのことを学んだなぁ。自分の知らないことをどんどん突き詰めることができるし、先生と学生という関係性を超えて、一人の研究者として参加できる喜びもあるしね。そこは高校時代と大きな違いかな。

池田 入学した時から小幡研究室に通って、先生や先輩たちの“研究”を肌で感じてきたから、大学院進学というモチベーションを維持できた気がするよ。

久積 二人はバリバリ研究をやっているので、僕だけ置いていかれた気がしなくもないけど…(笑)。僕はカンサットプロジェクトに夢中になったけど、池田くんや久壽米木くんはひとつの研究に没頭したんだよね。どんなものでもいいから、真剣に取り組めるものを見つけると、学生生活の“質”が一気に上がるのは間違いないね。

池田 大学生活は4年間だけど、その先は就職だけじゃない。もっと勉強したい、研究したいという気持ちが強ければ、それを叶える大学院という選択もあるから、他人がどうというよりは、自分の信じた道を進むことが大事だよね。僕は出身高校が工業高校だったので、進学よりも就職する人の方が多くて。でも、自分の将来は自分が決めるから大学に進むことに迷いはなかった。きっと大学院に進むことも少数派だとは思うけど、自分のペースで頑張りたい!

久壽米木 二人の話を聞いて、入学から大学院という目標を持って4年間を過ごすことは、確かに計画性があっていいなと思う。でも僕みたいに研究室との出会いをきっかけに…という人も多いと思うんだ。研究の面白さややりがいを実感するうちに、その延長線上に大学院という目標があるみたいな。NBUでの大学生活は4年間だけど、ひとつの専門分野をより深く究めるために、大学院での時間も含めれば、将来の選択肢が広がる気がする。研究でもプロジェクトでも“ハマる”ものとの出会いってすごく大切だから、そういうタイミングやチャンスを逃さないためにも、興味があることには、あれこれ悩まずに挑戦することが自分自身の未来図をつくっていくことにつながると思うね。

このエントリーをはてなブックマークに追加

MEMBER

工学部 航空宇宙工学科4年
池田 怜史Satoshi Ikeda
(宮崎県立佐土原高校 出身)
進学先 九州大学大学院
工学府 航空宇宙工学専攻

NBUマイクロ流体技術研究所長を務める小幡章研究室に所属し、トンボ型超小型飛翔ロボットの開発などに主力メンバーとして取り組む。大学院合格を目標にTOEICのスコアを最初にチャレンジした2年生の時の480点から810点まで伸ばした努力家。

工学部 航空宇宙工学科4年
久積 一斗Itto Hisazumi
(大分東明高校 出身)
進学先 九州工業大学大学院
生命体工学研究科
人間知能システム工学専攻

全国の航空宇宙分野を学ぶ学生たちが超小型人工衛星CANSAT(カンサット)の頂点を目指す、日本屈指のロケットコンテストにおいて初出場で全国制覇という快挙を達成。プロジェクトリーダーとしてチームをまとめる、独特の雰囲気とマネジメント能力は新しいリーダー像を感じさせてくれる。

工学部 機械電気工学科4年
久壽米木 捷太Shota Kusumegi
(大分県立佐伯鶴城高校 出身)
進学先 熊本大学大学院
自然科学研究科 情報電気電子工学専攻

環境、医療、農業などの分野で無限の可能性を持つプラズマを研究する川崎敏之研究室の一員として、データ解析、学会発表などで活躍。新しい技術として注目が集まるプラズマに静かに闘志を燃やし挑む情熱家。